ザ会社改造を読みました
去年の年末年始に読んだので感想文なブログを書きました。この本は、「創って、作って、売る」でお馴染みの三枝匡氏の最新作。大企業の売上を数年以内で回復させるのを専門とするものすごいコンサルタントが、社長に就任して十年以上かけて会社そのものを大きくした話です。
ちなみにモデルとなったミスミは実在の会社で、工業製品をメインに取り扱った商社です。
メモはここにまとめました。
以下、気づいたことを列挙します。
サブタイトルにもありますが340人の企業はそんなに多くないです。定義の上でも立派な大企業です。この本は0を1にする話でも1を100にする話でもなく、100を500にする話といえます。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/h28_pdf_mokujityuuGaiyou.pdf
著者が「ターンアラウンドスペシャリスト」を名乗っていることから分かるように、大企業の売上不振の立て直しが仕事のメインで、立ち上げたばかりの会社やサービスを大きくするにはまた別のスキルが求められそうだと改めて感じました。会社を起業して大きくしてExitしてひと儲けして、を繰り返すシリアルアントレプレナーとはまた別モノです。
自分自身は創業期の会社に新卒として入ったので、その小さな経験から考えるに、小さな会社から当てるためには以下の4つくらいが必要だなと思ってます。
資金繰り
人材集め
サービスを認知してもらうことと
売上が立たない時や失敗した時に自分のことを養ってくれる人
大企業で新規事業をやるってなったときはこれらは全部会社が用意してくれるので、その点では楽だと言えます。ただ、社内ベンチャーとか新規事業のメンバーはやる気と実績のある人しか選ばれないから競争率が高いって言う点ではしんどいと思っており、個人で起業するぶんには始めるのは手軽ですが資金も人材も全部自分で用意しないといけないのがつらいなっていうのは読んでて感じました。
また、途中で中国進出の話が出てきます。具体的な市場規模や競合企業については書かれていませんでしたが、初期メンバーは3人で、ノウハウもないため事前の現地採用や営業もかなり苦労したと書いてありました。営業開始が1ヶ月後に迫っているのに、商品を売るためのパンフレットは日本のものより遥かにうすっぺらで、パンフレットの中の商品の品揃えもよくない。これではダメだと社長に突き返されました。
問題なのは、営業開始のタイミングがそれで本当に妥当なのか、本格的に営業を始めるにしてもそのパンフレットで本当に顧客は商品を買ってくれるのか、メンバーの数はこれでいいのか、もろもろよくわからないまま準備を進めていたことです。営業開始までは大変だけど、締め切りも迫っているし、まずはリリースしてしまおう、リリースしてしまえばあとは軌道に乗るだろうという皮算用は絶対にうまくいかないのです。事前の準備は慎重かつ丁寧に、市場に出たら最速で一番を取りに行く、というのが重要であるということが書いてありました。なるほどそうだなと思いました。
あとは、PPMについて。PPMは数十年前からあるビジネスモデルで、人によっては古臭い概念であると批判的ですが、著者はこのモデルを評価しています。なぜなら、事業を分析するにあたり売上とシェアの概念は絶対に無視できない事項だからです。
市場でナンバーワンを目指すことに拘るのは、ナンバーワンであることは事業を「金のなる木」にするにつながるからであると読めました。事業が金のなる木になれば、大きな労力を要さずとも利益を得ることができるので、ビジネスにおいては理想形とも言えます。
最後に。僕の本業はWebエンジニアですが、社会人でもあるため、視野を広くするためにこういう本を読んで時たまこうして感想を述べる必要があると思っています。それはエンジニアリングが出来ないからビジネスサイドに走っているわけではなく、エンジニアリングも知って、ビジネスの事もある程度分かっていたいと思うからです。
ビジネスにおいては、皆がリーダーになろうとすることで組織が活性化すること、特に最初が肝心であること、自分の事業には誰であっても責任を持たななければならないこと、企画、製造、販売のサイクルを素早く回さないといけないことがこの本を通してわかりました。という小学生並みの感想で〆ます。
以下、雑記。
ameba owndですが、僕ははてなブロガーであり、マークダウンをメインに書いています。マークダウンで書けないの結構つらいし、見出しが書けないし、画像もURLで貼れないので、結構不便だなと感じました。
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